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てんかん患者の運転免許取得の課題

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最近日本では、てんかん患者のドライバーによる重大な死亡事故が相次ぎ、国民のてんかん患者に対する怒りの感情は頂点に達しています。
かつて栃木県で重大な事故を起こしたドライバーもてんかん患者でしたし、先日京都で7人もの死者を出す重大事故を起こしたドライバーもてんかん患者でした。
そして、この2人のてんかん患者のドライバーが、自らの病気を隠して運転免許を更新したり取得したりしていたことも明らかになり、ますます国民の怒りに火を注いでいます。
京都の事故の直前には、栃木の事故で肉親を亡くした遺族11人が、てんかん患者が起こす悪質な事故の厳罰化などを求める30万人分を超える署名を国に提出しています。
一方、てんかん患者の団体は、これらの事故をきっかけに偏見や差別がますます広がるのではないかと心配しているそうです。
てんかんの患者団体の会長は、病気を隠して免許を更新したてんかん患者のドライバーの自動車事故の発生を受けて病名が独り歩きし、
誤った知識に基づいててんかん患者を排除しようという動きが広がらないか心配だと述べています。
京都の事故のあとに、採用時の病歴確認や従業員に診断書の提出を求めることを検討している企業が出てきているということです。
こういった動きが、仕事の割り当ての配慮など患者に手を差し伸べる目的なら歓迎すべきことだが、採用しなかったり、
てんかん患者が不申告で免許を更新して事故を起こした場合、解雇する理由として利用される恐れがあると、てんかんの患者団体の会長は危惧しています。
実際、てんかんであることを理由に会社から採用されなかったりといった例は枚挙にいとまがないそうです。
また、運転中にドライバーが意識を失って事故を起こすケースは、てんかんに限らず、糖尿病の患者の場合でもあるそうです。
しかし、てんかん患者のドライバーの事故への対応については、てんかんの患者団体の方にも問題があるといえなくはありません。
見方によっては、彼らは、こういった事件があるとすぐに「差別だ、偏見だ」と口にして、それらを言い訳にして事故の再発防止策に取り組むことから逃げているようにしか見えないからです。
本当に差別や偏見をなくしたいのならば、てんかんの患者団体にも、てんかん患者が重大な自動車事故を起こしたという事実と真摯に向き合い、二度とこのようなことが起こらぬように健常者たちと積極的に協力し合うという努力が必要となってくるでしょう。
これはてんかんだけでなく、統合失調症に代表される精神障害など、差別や偏見を生みやすいほかの疾患の患者団体にも共通していえることです。
すぐに「差別だ、偏見だ」と言い、それを言い訳にして逃げるのは、日本の患者団体の悪いくせだといえます。
これから、健常者とてんかん患者団体、双方が知恵を出し合い、てんかん患者が自動車免許を所得できる権利を守るとともに、てんかん患者による重大な自動車事故の発生をどう防いでいくか、という課題に積極的に取り組んでいくことが求められています。


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