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医療費が上がる本当の理由とは

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最近は医療費の上がり方が目立つようになってきました。
特に、値上がりが顕著といえるのが高齢者の医療費です。
75歳以上の後期高齢者の医療費は地方自治体によって違いますが、普通の収入がある人が3割、税金を納められないほどの低所得者は1割となっています。
3割負担は結局現役世代の医療費負担とあまり変わりませんので、年金暮らしの高齢者にとってはかなり大きな負担であるといえるでしょう。
では一体どんな要因で、医療費が高騰するのでしょうか。
医療費が高くなってしまった原因には、人口の高齢化、医療保険制度の普及、国民の所得の全体的な上昇、医師の数が増加したり、医師が診療報酬を不当請求して私腹を肥やすこと、医療分野の生産効率化が進んでいないこと、があるといわれているそうです。
これらのうち、一番大きな要因とされているのが高齢化であるといわれていますが、これにも疑問の声が上がっています。
1人当たりの医療費に限って言えば、65歳に満たない場合は15万9200円、65歳を超えている場合は65万5700円となっており、高齢者の医療費は現役世代に比べ4倍から5倍となっています。
この数字だけをみると、医療費の高騰はやっぱり高齢化が原因ではないかと思う人も多く出てくることでしょう。
また、30年前くらいには65歳以上の人口は1割で、国民医療費は16兆円だったのですその後急速な高齢化が進み、
2005年には65歳以上人口が2割に達し、国民医療費が30年前の2倍の33兆円となったというデータも
「やっぱり高齢化が進んだことが一番の医療費の高騰の原因ではないか」と多くの人たちが考える原因となっています。
しかし、国民1人当たりの医療費をきっちりと単純計算してみると、今の医療費の実態と大きく食い違っていることがわかってきます。
現在の人口比を65歳以下:65歳以上=1:4~5と仮定して一人当たりの医療費を単純計算しますと、30年前の医療費は(0.1×5)+(0.9×1)=1.4となり、同じ計算で現在の医療費を計算しますと、(0.2×5)+(0.8×1)=1.8となるそうです。
そして、現在の医療費を約30年前の医療費で割りますと1.8÷1.4=1.3となります。
この数値は、約30年前に比べて医療費が1.3倍程度、20兆円くらいとなれば、医療費の高騰の一番の原因が高齢化であると断言することができるでしょう。
しかし実際の現在の医療費は、これより13兆円も多い33兆円です。
となると、人口の高齢化は必ずしも医療費の高騰の一番の原因でないことになります。
では、医療費が33兆円という高額になった本当の原因は何なのでしょう。
その理由は、実は医療技術の進歩にあるといわれています。
医療技術の進歩が、患者が死亡するまで高度な医療を提供できるという環境の整備につながり、それが結果的に医療費を高騰させているのです。
実際日本でも、病院で死亡する直前一ヶ月前の患者にかかった医療費は1兆円弱にものぼっているという試算が出ているそうです。


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