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あきれた医師の臓器売買

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 海外では、臓器売買のケースが多く報告されていますが、
日本でも最近、医師が臓器売買をするという
信じられないケースがニュースで報じられました。
2011年秋、生体腎移植をめぐる臓器売買事件が発生しました。

この事件では、腎不全を患っていた医師が腎移植手術を受けるために、
ドナーとなった暴力団の組員と共謀し、
親族間の移植を装うために虚偽の養子縁組を届け出たり、
暴力団員に腎臓提供の謝礼として800万円を渡していたことが明らかになりました。
この医師は愛知県の病院で生体腎移植を受けていますが、
それを担当した執刀医も任意で事情聴取を受けたそうです。

執刀医は記者会見で臓器売買があったとは知らなかったと強調したということです。
また、この執刀医の会見には、
生体腎移植を行った愛知県の病院の理事長も同席し、
医師にこの病院での臓器移植を勧め、ドナーも紹介した暴力団組長と知人で、
暴力団関係者であることも認識していたことを明らかにしたそうです。
この理事は、病院の台湾進出計画をめぐり、
暴力団組長と約15年前に知り合ったそうですが、
この当時は暴力団関係者であることを知らなかったと釈明しています。

後に生体腎移植を受けた医師は懲役3年の実刑を受け、
共謀していた妻も懲役2年6ヶ月の実刑を受けています。
判決を言い渡すにあたって裁判長は、臓器移植法が、提供者の意思を尊重し、
移植術を受ける機会の公平性も重視していると指摘した上で、
この医師らの行為を、
こういった臓器移植の基本的理念に真っ向から反するものだと非難しました。
日本でこういった事件が起こる背景には、
臓器移植に必要な臓器提供者=ドナーが圧倒的に不足していることにあります。
ドナー不足に悩む移植希望者が、
海外で臓器移植をこっそり受けようとするケースは後を絶ちません。

このケースで特に目立つのは、中国での違法な臓器移植です。
日本のある臓器移植を仲介したNPOの幹部が、
日本人が違法に中国で臓器移植を受けていることを明らかにしました。
こういった中国で不法な臓器移植を受けた人たちの年齢は50歳から65歳で、
ほとんどの人が腎臓移植を受けたそうですが、
肝臓移植の人も一部いるということです。

中国での臓器移植は現地に約20日間滞在して現地の病院で行われ、
その費用は1件につき約800万円だということです。
この費用には、病院や医師に支払われる手術代、渡航費、
中国滞在中の費用が含まれているそうです。
中国では、臓器提供者の素性が国際的な問題となっています。
この国での臓器提供者の大半は脳死判定された死刑囚だからです。

中国政府は2007年に臓器移植に関する管理を強化し、
国内患者の需要を優先に考え、
観光目的で訪中した外国人への臓器移植を禁止しているということですが、
現在でも違法な臓器移植手術が行われている可能性もあります。
また中国だけでなく、フィリピンから臓器売買で臓器の提供を受けた
日本人が移植手術を受けることも問題となっています。


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